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公務員の定年延長はこうなる?

  • 2020/01/30

今国会に公務員の定年延長を定める「国家公務員法」と「地方公務員法」の改正案が内閣から提出予定だ。詳細は未定だが、大まかな法律の内容と報道内容などから、改正の中身について私なりにお伝えしたい。

国家公務員の定年が引き上げられると、連動して地方公務員の定年引き上げが自治体の条例改正で定められる。人事院の意見の申し出を踏まえて定年が段階的に65歳に引き上げられる。

一部報道にあるように、令和4年度から2年刻みで一歳ずつ定年が引き上げられるとすると、令和12年度に65歳に引き上げが完了する。これだけではわかりづらいので、生まれ年で考えてみよう。1962年度(昭和37年度)生まれが61歳定年に。1963年度(昭和38年度)生まれが62歳定年に。1964年度(昭和39年度)生まれが63歳定年に。1965年度(昭和40年度)生まれが64歳定年に。1966年度(昭和41年度)生まれが65歳定年に引き上げられる。

実施は令和4年度、令和6年度、令和8年度…と2年刻みであるが、年齢別に見ると毎年引き上げが行われることになる。令和4年度に今57歳が61歳になって定年が引き上げられ、令和5年度には今56歳が61歳なので据え置き、令和6年度にはその今56歳が62歳になって定年が引き上げられる。わかりづらいが2年度刻みで引き上がると、生まれ年が一年違うだけで退職年齢が変わってくる。もちろん今後の議論によって2年度刻みが3年度刻みになることもあり得るのでご承知おきいただきたい。

管理職手当の対象となっている役職者の役職定年は原則60歳のままのようだ。つまり、学校で言えば、校長をしている教員が65歳定年まで働く場合、61歳以降は役職定年となり、管理職ではない仕事をするということだ。ただし、これはあくまで原則であって、詳細は自治体ごとの条例で定められる。65歳まで管理職を続ける特例の条例を定める自治体も多くあるだろう。

最大の課題は、定年が延長されると退職者が大きく減少する年が1年おきにできる点だ。単純に考えると1年おきに新採用を全く採れない状況が生まれる。役所も各現場も計画的な採用と、定数の増が求められる。いずれにしても実施まで2年余り。時間がない。