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苦しむ先生たちに。

  • 2013/05/01

よく知っている20代の若い中学校教師から相談を受けました。
「もう限界、休みたい…」
聞けば、思うように子どもに指導がゆきとどかず、職員室全体でのサポートも得ることができず、授業後の会議なども続いて時間的な余裕もない状況がよくわかります。
こうしたなかで、少しずつ追いつめられているんですね。
何とか支えになりたいと思い、僕の経験や見聞から思うところを伝えました。
精神的に厳しい状況にあることを管理職に伝え善処をお願いすること、思うように子どもが動くなんてありえないし、思い通りにいかないことが普通であること、決して無理をしないこと。
全国で5000人以上の教員が精神的疾患で休職を余儀なくされています。10年間で倍以上も増えています。
この数字は実際に休職に至った先生の数で、休職に至らずともある程度の日数の休暇をとった教員など、予備軍はその何倍もいます。現場の先生方と話しているとわかりますが、もはやどの学校にも数人は存在するといってもよいのではないでしょうか。
今の若い人たちは耐性がないなどという人もいますが、それはむしろ逆。20代、30代よりも、経験を積んだベテランの先生に休職者が多いのです。
子どもや保護者の対応も難しくなりました。
教員の数が減り、一人一人にかかる負荷が大きくなっています。
何でも屋のごとく次々と新たなメニューが学校に持ち込まれその対応に苦慮しています。
職員室の人間関係も希薄になり最も必要な同僚性も失われつつあります。
年齢構成もいびつで、50代と20代の教員が増え、いわゆる中間層が減るなかで教育術の伝承もうまくいっていません。
冒頭の若い先生は、僕の知りうる限り、大変まじめで優良な教員です。このような先生方がむしろ追いつめられていくのです。
いつしか学校はネガティブな情報ばかりが伝えられるようになり、学校バッシング、教員バッシングという言葉に表されるように、批判や非難の的となっています。このことも教師を追いつめる遠因となっているでしょう。教育を政争の具としてきた政治家や、メディアの責任も大です。
社会全体で考えていかなければならない大きな大きな課題です。
「もう限界、休みたい…」冒頭の先生の言葉が胸にささります。