子どもの貧困と教育
- 2015/03/11
子どもの貧困対策が急務です。
政府も昨年8月に「子どもの貧困対策に関する大綱」を閣議決定したところです。内閣府や厚労省、文科省を中心に対応をすすめています。
子どもたち一人一人の将来が、生まれ育った環境に左右されない。
こんな至極当然のことが実現できていません。
そして、先進国の中でも、実現に向けてきわめて困難な環境にあるのが我が国であるのです。
子どもの貧困率は16.3%。2010年調査ではOECD加盟34カ国中25位です。
子どものいる一人親世帯の貧困率は、54.6%。同33位です。
生活保護世帯の子どもの高校進学率は90.8%。全体の平均が98.6%のなかの数字です。
世帯の貧困が教育環境に大きく影響し、それが貧困の世代を超えての連鎖に結びついていることは確実です。
教育費負担の軽減として、幼児教育の無償化、奨学金の充実、貧困状態にある子どもに対する学習支援などの施策が検討されています。
他にも、スクールソーシャルワーカーの拡充、生活困窮者の就労支援、保護者の学び直し支援、児童養護施設などの充実や退所後のアフターケア、各種相談機能の充実、直接的な経済支援、様々な支援策もすすめられようとしています。
しかし、根本的な解決のためには対処療法的な施策では不十分です。社会全体の考え方や政府全体での対策の検討が必要です。
格差の議論が盛り上がっていますが、教育政策ひとつとっても実は格差拡大の方向が色濃くなっているのではないでしょうか。
入試改革、学制改革、公設民営学校の設置、土曜日学習、学校統廃合の促進…。さまざまな改革が例えば家計負担を伴う学校外教育偏重へと結びつくのでないか。そして、公教育の機能縮小は、今以上に子どもの格差を拡大することにつながるのではないか。教育や子育てを経済的な効率で考えすぎではないか。全体として間違った考えをしてしまっているのではないか。そんな思いを強く持っています。
子どもたちの未来をあたためるために、国会での議論を深めること、それが僕の役割であると思います。