全国学力テストはもう必要ない。
- 2017/04/18
今日、4月18日は本年度の全国学力学習状況調査の実施日だ。
現場がただでさえ忙しいこの時期に終日をかけてのテスト。毎年のことながらいい加減にして欲しいというのが学校の本音だろう。
例年、テストでいい数字を出すために事前に過去問に取り組ませるなどの問題点が指摘されてきた。おそらくそれは今年も同様で、何のための調査なのかわけのわからない状況が続いている。結果を都道府県別に(今年からは政令指定都市も)公表する以上、順位付けがなされるのは避けられず、順位や点数が下がろうものなら首長や議会から文句を言われるのが目に見えている。教委がとにかくいい点数を、となるのも仕方ない。
テストの結果が各学校に文科省から知らされるのが秋。それでは卒業間近の子どもたちの指導に生かせないので、実は学校ごとに答案用紙をコピーし採点するという作業を行っているところも多い。市町村教委の指示だろうが、教委としても早めに本年度のテストの状況を知っておきたいのだろう。
制度の導入時の国会審議などでも、採点などで現場の負担は生じないなどとされてきたが、まったくそうはなっていない。当日の準備等の手間も大変だ。分厚いマニュアルをもって主任の先生などが右往左往している。
今年の調査からいくつかの点が変更になる。
先に述べた政令指定都市の結果の発表、保護者に対する抽出調査、調査結果の大学等への貸与などだ。
特に問題なのが、調査結果の個票データを大学等の研究者や行政機関の職員に貸与するという点だ。このデータには国が公表していない教育委員会名や学校名が明らかになるものも含まれる。貸与も申し出ができる者はいろいろ規定されているがはっきり言ってフリー。民間の教育産業事業者などでも大学の先生と連携していれば簡単にデータを入手することができる。大盤振る舞いだ。信じられない。何のための調査か。規制を強化すべきだ。
教育産業も高校や大学なども地域ごと学校ごとの調査結果は喉から手が出るほど欲しいはずだ。それは決して文科省が言うような学術研究の発展に資する目的ばかりではない。マーケットリサーチも含まれる。とんでもないことだ。
全国学テも現政権下ですべての児童生徒を対象とする悉皆型になった。様々な課題は当初から指摘されていたがその通りになっている。もはや実施による弊害の方が大きい。早急にまずは抽出型に戻すこと。こんなに巨額の予算をかけて悉皆調査する意味などない。データは抽出で十分とれる。文科省がえらく気にするPISAの学力調査だって全国で確か5、6千人だったはずだ。60億円もかけるくらいなら現場の教員を少しでも増やした方がよい。悉皆調査だからどうでもいい県別の順位ばかりがクローズアップされる。愛知県など、全国でだんとつに外国人児童生徒が多い県だが、こうした子どもたちも全員調査の対象だ。当然だが国語の成績などはなかなかよいものが出ない。それが教委や学校の怠慢だと指弾される。どこか間違っていると思う。
すべての元凶は悉皆型調査にある。早急な改善が必要だ。国会で徹底的に議論する!
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