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ゆとり教育とオリンピアン

  • 2018/02/27

平昌オリンピックが閉会しました。
冬期オリンピックでは史上最多のメダルを獲得。日本中が盛り上がった大会でした。
私が感じたことは大会を楽しみながら、持てる力を発揮できる選手が多くなってきたことです。
以前は、「勝たなくてはならない」、そんな悲壮感を漂わせながら、力を発揮することができずに涙する選手も多かったように思いますが、
今の選手たちは少し変わってきましたね。
もちろんそれぞれ大きなプレッシャーは感じながらの競技だったと思います。また結果を出すには大変な努力を重ねたプロセスもあったと思います。
しかし、競技中も笑顔をみせながら、パフォーマンスを発揮する選手たちの姿は、私には大変頼もしくみえました。

これはあくまで私見ですが、今のオリンピアン世代の多くにはひとつの共通点があります。
それはいわゆる「ゆとり世代」であること。
ゆとり教育の定義は様々ですが、一般的にマスコミや一部の政治家などからひどく評されるゆとり教育は、2002年から2010年まで続いた学習指導要領のもとでの教育をさします。一人一人の個性が尊重され、主体的に学び、自ら考える力を育てるための教育が導入されました。授業時数も削減され、総合的な学習の時間が創設されました。
また、完全学校五日制となり、家庭や地域で過ごす時間が増えた子どもたちの多くは、その時間を活用して地域スポーツや文化芸術活動にも熱心に取り組むようになりました。
小中学校9年間を通じてこの教育を受けてきた子どもたちは、1995年生まれ。22、3歳の若者です。この前後数年間がゆとり教育の影響を強く受けた世代といえるでしょう。
もうひとつ言えば、この年代以降の人たちは、授業時数の増はあったものの、主体的に自ら学ぶ教育の大方針は基本的に変わっていません。

羽生選手も、高木兄弟も、高梨選手も、原選手も、女子カーリングチームも皆この世代です。
効率的、効果的な練習を重ね、自分のために大会を楽しみ、過度なプレッシャーに負けることなく力を発揮し、結果を出す。
こうした頼もしい若者が増えてきたことは、教育のあり方や地域の環境と無関係だとは思いません。
かつての精神論中心であった日本のスポーツ指導のあり方が、指導者たちの努力や工夫によって変わってきたことも大きいですね。これも教育に対する考え方の変容のひとつだと思います。

ゆとり教育に否定的な見方をする多くの方が、ゆとり世代の活躍に目を見張る時代です。
前々から申し上げていますが、ゆとり教育が再評価される日も遠くないと思います。