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学校教育のシン、教師のあるべき姿

  • 2010/03/12

 元教員であり、私の先輩でもある前名古屋市長の松原武久氏が、
 「2025年の教育 学校教育のシンは」という本をまとめられた。50ページほどの冊子であるが、中身が濃く、今の教育の現状をズバリと言い当てている。
 松原先生とは、同じ教育現場の出身のものとして、これまでも教育や教師のあるべき姿についていろいろ議論してきた。(議論というよりも氏の雄弁に圧倒されるばかりだったが…)
 先生はこの本の中で、「学校教育の中核は授業であり、教員の授業力はシンの中のシンだ」と前置きされた上で、
 「先生が、尊敬されるまでは難しいとしても、信頼されるということは最低限必要である。親も子どもも先生を信頼する。先生も信頼されるに足りるように感化力を磨き、教科の内容を深く理解し、グループダイナミックスに精通し、授業を構造化できなければならない。そのために、教員は不断に研究と修養に努め、信頼を得る必要がある。」
 と書かれている。
 私も同意である。教えるプロである以上、プロとして授業力を高める努力は必要だ。
 しかし今、先生方は忙しい。緊急の生活指導、苦情への対応、給食指導から校内での会議・打ち合わせ、事務作業の数々…。
 こうした状況を少しでも改善していかなければ、授業のための教材研究や作成、授業案づくりなども難しい。
 松原先生の本にも指摘されているが、少なくとも「少人数学級」と「事務負担のアウトソーシング」によって、教員が子どもたちに正対できる状況を作っていくことが必要だろう。その上で、教員が授業力を高めるための意識を強く持つことが重要だ。
 子どもが家に帰って「今日の授業はわかりやすかった。楽しかった」こんな感想を保護者に話せば、信頼感はすぐに高まるはずだ。