放射線のことをちょっとだけ。
- 2011/04/28
先輩議員から、「学校で放射線のことをもっとわかりやすく教えなきゃ」とある冊子をいただきました。
医療関係の冊子のようです。放射線のことが医学的基礎知識として記されています。
確かに、放射線は医療の世界では、いわゆる正義の味方として有効に活用されていますね。
放射線や放射線物質のことをホタルに例えて書いてあります。
まさにホタルが放射線物質、ホタルの放つ光が放射線、光を出す能力が放射能、密閉された入れ物で飼っていたホタルが逃げ出すと放射能漏れ、といった具合です。
ただ、ホタルは逃げ出すと自らの意思で思い思いの方向に飛んでいきますが、放射線物質は風などの力によって運ばれるところが違いますね。
ホタルがだんだん弱って光となる元の物質が半分に減るまでの時間が「半減期」です。
「ひばく」という言葉も、原爆攻撃を受ける際の「被爆」とは違う「被曝」と書きます。ホタルの光を体に浴びることですね。
放射線にもいろいろな種類があることはご存じでしょう。X線、陽子線、重粒子線、中性子線などです。
X線は、骨だとか水分だとかX線の通しやすさの差を利用して、フィルムに写した影の形や濃さから病気を探します。CTスキャンなどもこのX線を利用しています。胃検診で飲むバリウムはX線を通さないので造影剤となるんですね。
ちなみにMRIやエコー検査などは、それぞれ磁力や超音波を使うもので放射線は利用されていません。
ある程度以上の強さの放射線が体に当たると、細胞の一部が壊れ、細胞が死んでしまうことがあります。死なずに傷ついた細胞が将来的にがん細胞になりやすいともいわれています。
この性質を生かし、がん細胞を狙って殺してしまう、陽子線や重粒子線などの治療も確立されてきました。名古屋にも立派な治療施設を建設中です。
放射線はこのように、健康を保つために有効活用されているのです。
いずれにしても放射線が健康に影響を与えるかどうかは被曝量次第。100ミリシーベルトを超えると発がんリスクが高まるなどとも言われていますが、喫煙リスクなどと比べれば遙かに小さいものであることは間違いありません。
しかし、福島第一原発からは放射性物質が外に漏れています。注意は必要です。
放射線の強さは、例えば1キロの距離から10倍の10キロの距離に離れると100分の1になります。近寄らないことがひとつ。
近寄っても短時間にする。
マスクや保護服で遮蔽する。
雨は空気以上に放射線が多い場合があるので皮膚に触れないようにした方がよい。
必要以上に怖がる、意味もなく怖がるのでなく、「正しく怖がる」ことが大切です。是非子どもたちにお知らせください。