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AIPAでの出来事③

  • 2011/09/27

○ 日本からの支援事業を視察
3日目午前中には、JICAの法整備支援プロジェクトの視察に出かけました。
現在フェーズ3の支援中で、これまでの日本の支援によって起草されたカンボジアの民法・民事訴訟法にもとづき、その附属法令の起草や法曹関係者への普及を行っています。
簡単に言えば、内戦期の混乱もあって、カンボジアでは民法がなく、法に基づく諸般の判断ができない状況であったのを、日本の支援によって、何とか法そのものができ、今は人々にそれを普及させるための活動をしている段階であるということです。
3人の職員が支援の活動を行っていますが、このマンパワーでは正直言って難しい。
どの段階までどのように支援していくのかは判断が難しいところです。
余談ですが、3人の方のうち、お1人は偶然にも僕の公設秘書の奥さんの元上司、お1人は僕と同じ愛知県のそれも故郷もほど近い知多半島のご出身。つくづく世間は狭いものだと思いました。
その後、プノンペン市水道公社を訪問し、総裁と懇談。
日本の支援によって、充実した水道事業の状況を視察しました。
日本の北九州市から派遣されている水道局の方の話では、この地の水道水は日本の水道水の水質基準をクリアするきわめて衛生的な水だとのこと。
試しにいわゆる「生水」をかなりの量飲んでみましたが、美味い水で、とくに違和感はありませんでした。
○ 対話セッション
午後には、日本とAIPA諸国議員との対話セッションが設定されました。
日本対10カ国の会談です。
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はじめに、予定ではなかったはずの日本団長の基調提案を求められ、手元の資料をもとになんとか日本の置かれた立場やアセアンに対する考えを述べました。
各国からの話題は、やはり日本のODA等の国際援助の今後についてでした。
日本が震災復興に多額の財源を必要とする状況であることを受け、これまでのような支援を受けることができるのかどうか、確かめたいようです。
個人的な思いは様々あるものの、ここは日本国会の代表として、「国会での審議を経て…」としか答えることはできません。
あっという間に2時間の予定された時間が過ぎ、タイムアップ。
他にも震災や原子力発電所の事故等についての細かな質問を想定していましたが、そこまで議論が行き着きませんでした。
○ 在留邦人のみなさんとの夕べ
プノンペンの日本商工会の会長さんはじめ役員の皆さんと夕食をご一緒しました。
カンボジアへ企業が進出するうえでの課題等について意見交換ができました。
さまざまな観点での話を聞きましたが、印象的だったのはやはり教育のこと。
プノンペンには残念ながら日本人学校はありません。
在留の子どもたちはインターナショナルスクールに通うことになりますが、費用の問題や帰国後の進路の問題などはやはり大きな悩みの種です。
これは在外公館で働く皆さんにとっても同様です。海外に暮らす子どもたちの教育も、日本国として、海外戦略の一環として考えていかなければなりませんね。
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○ 全体会議・閉会式
最終日は、首相府での最後の全体会議と閉会式。すべての委員会における提案が可決され、次回の開催国がインドネシアに決まりました。
○ 国王に拝謁!
午後には、日本議員団長としてノロドム・シハモニ国王に謁見賜りました。
王宮では赤じゅうたんに憲兵のお出迎え。
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おそらく、国王から全体にお言葉をいただくだけで、個別のやり取りはないと思っていましたが、2度にわたって、写真のように直接言葉を交わす機会をいただきました。
わたくしからは、震災に際しての国王からいただいた我が国へのお見舞いへの御礼、今後、カンボジアと日本の友好をさらに深めていきたい旨のお話をさせていただき、国王からも温かい言葉をいただきました。
自分にとっては、極めて思い出深い瞬間でした。
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その後は、サムリン議長主催の送別会。
翌朝に現地をたち、日本に戻りました。
ともに団を構成した鶴保議員、長沢議員、国際部のお二人、通訳御三方,黒木大使はじめ大使館の皆さん、現地でのガイドさん、SPさん、交流頂いた諸外国の代表団の皆さん、それぞれに心から御礼申し上げます。
5年もたてば、カンボジアは大きく様変わりしていることと思います。
日本は、これらアセアン諸国とどう連携し、ともに発展していくのか。
今回の会議をへて、そうした思いをますます強くしました。