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これからの教員養成の在り方について。

  • 2012/02/28

教員養成の在り方について中教審などで議論されています。
教員を高度専門職として位置づけ、大学4年間に加えていわゆる修士課程レベルの修了者に一般免許状(本免許)を与える方向で骨子案がまとまったとの報道もありました。
僕自身も今、教員養成の方向性について自分なりの考えをまとめようと、諸資料を取り寄せて学習しています。
十分に考えが煮詰まっていない段階ですが、一端を述べたいと思います。
教員養成の在り方を考える場合、教員の資質向上や待遇改善以外に、さまざまなことを勘案する必要があります。
例えば、6年間もの長期の課程が必要であるならば、その間の学費軽減、就職へのインセンティブ、受け入れる大学側の体制強化などが必要となるでしょう。
また、免許を取得しても教職に就かない学生が圧倒的に多い状況をどう改善していくか。
平成17年のデータですが、中学校の免許所得者はこの年約5万人、翌年の採用者は2000人、採用率は4パーセントです。高校免許に至っては7万3千人が免許をとって、1600人が採用されたのみです。
免許取得には当然ながら最低でも2週間の教育実習が必要です。負担を承知で受け入れる学校もこうした数字をみたら愕然とするでしょう。
免許状濫発とそれに伴う教育実習公害をどうしていくのかも重要な視点です。
また、年々多忙化がすすんでいく学校現場の状況改善につながる方策はないかも考えていかなければなりません。
教員免許更新制や初任者研修と免許取得との関係も整理していく必要があります。
そこで、
・教員養成は6年制とし、修士課程修了を義務づける。
・4年間の学部卒業の際に、准免許(名前は何でもよいが)を与える。
・2年間は学校現場で准免許をもって教員として実習する。採用試験を課すかどうかなど検討が必要だが、一定の給与(給付制)を受ける制度とする。
・2年間の実習結果をもって、本免許を取得し、正規教員として採用される。
・准免許所得者は常勤・非常勤講師等をつとめることができる。
このようなものであれば、単に免許取得のためだけでなく、真に教職を志す者を育成できるでしょう。なかには教職にあわず、道を諦める学生もいるでしょう。新採用者の早期退職が大きな問題となっているなか、学生の段階で新たな道を模索することも必要ではないでしょうか。
また、実習教員も一定の収入を得ながら免許取得を目指すことができ、また、人の足りない学校現場にもプラスとなると思います。(定数を一部崩すこともあるか)
2年の実習ですから、初任者研修は当然ながら廃止ですね。従来の教育実習も廃止します。修士レベルの養成システムのもとでは現行の免許更新も必要ありません。
あくまで、6年制を導入すると仮定してのプランです。4年間で十分に同様の教育ができるならばその方がよいのは当然です。
今後、どのような形で議論が進んでいくのかは不透明ですが、さらに考えを深めて対応していきたいと思います。また、お声をお聞かせください。