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いじめについて。放送で言い足りなかったこと。

  • 2012/07/21

昨日のBSフジのプライムニュース。多くの皆さんから反響をいただきました。
2時間の生放送、ゲストは僕と大学の先生の二人のみ。
放送30分前に台場のフジテレビに行き、控室でDの小林さんや反町解説委員、島田アナと簡単な打ち合わせ、いや顔合わせですね。あれは。
島田さんが愛知県出身なので、ご当地グルメで盛り上がったくらい。
放送のテーマであった大津のいじめ事件の対応。一人の子どもが尊い命を失うという痛ましい事件です。
現在報道されていることが事実であるとすれば、自殺後の学校はじめ関係者の対応は問題があったと言わざるを得ません。
必要な情報の共有がどこまでできていたのか、
情報の公表をためらったのはなぜなのか。
被害届の不受理や学校への家宅捜索など警察の対応はどうであったのか。
やはり、きちんとした究明が必要です。犯人探しのようなことではなく、今後二度とこのような痛ましいことが起きないように、皆で責任を分かち合うことが必要です。
未熟な子ども、学校での集団生活、いじめはどの学校、どの地域でも起きうることです。
いじめは起きる、そのことを前提にし、単に「いじめは起きてはいけない」「学校でいじめが起きることは恥ずべきこと」などの考えを転換していく。
いじめをどう克服していくかに主眼を置くべきです。
早期からの情報の共有、チームでの対応が大切です。一人の教員の力ではいじめを克服することは不可能です。
昨日の放送では時間がなく、言い足りないことも多々ありました。そのうちの一つだけ申し上げておきます。
今回の事案のあった中学校のことをお聞きすると、大津市で行っている学校選択制の対象校であったとのこと。
僕は以前から公立中学校の学校選択は学校と地域との関係を脆弱にする危険性を述べてきました。
また、学校の評判が次年度の生徒入学数に直結するため、学力テストの結果やいじめの数、問題行動の有無などをどうしても気にしがちです。
そのことが、今回の対応の不備につながったのかどうかは現時点ではわかりません。
しかし、こうした観点からも検証がおこなわれるべきであると思います。
いじめは悪です。いじめは許されません。なかにはいじめられた側にも非があるなどという方もいますがそれは間違いです。いじめは絶対に許さない。そんな強い意思を子どもたちに日常的に伝えていく。
そして、教師と生徒の信頼度を増していく。
そのために必要な人間性やスキルを身に着けるために教師も努力する。
学校現場で不足しがちなマンパワーを補い、教師と生徒がきちんと向き合える環境を行政が用意する。
子どもは大人社会の鏡。このことを政治家もマスメディアも含めた大人社会がもっと自覚する。
皆で責任を分かち合っていかなければ、いつまでも子どもの命は危険にさらされ続けます。
ちなみに、昨日の放送はプライムニュースのホームページからアーカイブで観ることができます。
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