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自殺者3万人を下回る。

  • 2013/01/17

2012年、全国で自ら命を絶った人の数が報道されました。
2万7766人。15年ぶりに3万人を下回りました。まだまだ大変な数ですが、それでも民主党政権下の2010年から2012年にかけて減り続け、やっと3万人を下回るまでになりました。
内閣府は「経済状況が底打ちした結果」というコメントを出しているようですが、必ずしも経済状況がその要因でないことは明らかです。
日本の自殺者数は90年代前半は2万人余りでしたが、98年に突如8000人以上も増え、3万人を超えました。
その後、2003年に最多の3万4427人を記録し、その後も高止まりが続いていました。
そこで、この98年と2003年、そして今回3万人を切った2012年の経済指標を調べてみました。
名目GDPは98年が512兆円、03年が499兆円、12年が475兆円。
12年が最も低い数字となっています。決して経済状況が底打ちしているわけではありません。
GDPデフレーターという国内企業の利益や労働者の賃金など所得の変化を示す指数があります。
98年が110p、03年が103p、12年はなんと91pです。12年よりも7000人近くも自殺者が多かった03年の方が12pも高いのです。言い換えれば国民の所得はずっと少ないのに、自殺に至るケースは減ったんですね。
各自治体と連携し、民主党政権下で進めてきた自殺対策支援が効果的であったこと、格差是正をめざし所得の再分配機能の強化を進めてきたこと、多重債務者への対応などが、自殺者減少の要因だと思います。
自殺者数が最多であった悪夢のような03年当時、GDPは拡大を続けながらも国民の暮らしがずたずたになったあの時代。総理大臣は小泉純一郎氏、そして政権党の幹事長は安倍晋三氏でした。
あの時代に戻してはいけない。今回の報道をみて改めて強く思いました。