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IPS細胞って?

  • 2013/02/14

今日の日経新聞にIPS細胞を使った初の臨床研究についての記事がありました。
まさにIPSを活用した夢の再生医療への大きな一歩。
来年度の文科省予算案でもIPSの研究拠点作りを中心に90億が計上される予定です。
もともと僕たちは受精卵というひとつの細胞が分裂を繰り返し、ヒトとしての機能をもつにいたったわけです。
分裂を繰り返すうちにどこかの段階で、例えば脳になる細胞、心臓をつくる細胞…などとその機能が分化していきます。
IPSというのはこの機能分化以前の体のあらゆる細胞や組織に成長する性質を持った細胞です。
山中先生はヒトの皮膚細胞などにある遺伝子を導入するなどして、このIPS細胞を作り出すことに成功しました。
どんな細胞にも進化するおおもとの細胞ですから、これをもとに体の様々な部分を培養し育て、それを体に戻すことで、機能を失った組織や臓器などを再生させようとしているのです。
元々は自分の細胞ですから不適応などの心配もなし。
ES細胞も同じようなものですがこちらは受精卵からつくるもので、皮膚細胞からなどというわけにはいかず、倫理的な問題もあります。
今回の臨床はIPS細胞から培養した網膜細胞のシートを痛んだ網膜と入れ替えるというもの。
将来的にはシート状のものだけでなく、立体的な臓器を培養することも視野に入れ研究が進んでいます。
やけどの際の皮膚移植や毛髪の再生などもそれほど遠くない時期に実現する可能性もあります。
創薬の分野や糖尿病などにも劇的な効果が見込まれています。
問題は組織のガン化などの副作用。
他にも解決すべき課題は山積していますが、久しぶりに夢のある話だと思いませんか。今のところ、日本が一歩先んじて研究を進めているようにもみえますが、必ずしもそうではありません。
世界中で、IPS細胞を巡る研究合戦が行われています。
ちなみに明日は党の勉強会に山中先生をお招きして話を聞くことになっています。
楽しみにしていましたが、議事運営委員会が同時刻に入り、僕が党を代表して、話題になっている公正取引委員長候補の杉本和行みずほ総研理事長に質疑を行うことになりました。
山中先生に聞きたいこともたくさんありましたが、また次の機会に…。