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絆の結び方もなかなか難しい。

  • 2013/07/13

ある会の会報に400字程度で投稿をと頼まれました。短い文章は難しいですね。とりあえず書いてみました。
「絆の結び方もなかなか難しい」         
  
                                    参議院議員 斎藤嘉隆
                                
大震災以降、日本の社会にいっそうの絆が必要だと言われている。
絆という言葉の語源を調べると「牛や馬、犬などの家畜を立ち木などに繋ぎ止めておくための綱」とある。
人と人との結びつきや助け合いなどを意味するようになったのは近年のことで、本来は束縛、呪縛、しがらみなど、できれば逃れたい有難くないものであったようだ。
 歴史的に日本の社会は同調圧力が高いと言われる。包摂の中の論理に従えば心地よいが、論理に従わないと排除の対象となることもある。「村八分」などはその典型だ。
 地域社会が崩壊していると言われて久しい。様々なしがらみから多くの人たちが逃れたいと思っていた時代があったが、逃れてしまったらしまったで次は居場所がないと嘆くことになる。
 絆の結び方はなかなか難しい。結び目は強ければいいというものでもないだろう。弱い絆、薄い絆、濃い絆、いろいろあっていい。集団にモデルケースはないのだ。教育現場で解決が望まれる「いじめ」の対策やとらえ方も、こんなところにヒントがあるのかもしれない。子ども社会は大人社会の鏡である。