新年のお慶びを申し上げます。
- 2014/01/17
新年おめでとうございます。皆様におかれましては、それぞれのお立場でよき新年を迎えられたことと思います。本年もご指導のほどよろしくお願いいたします。
正月に1日休みをもらって、友人とゴルフにでかけました。昨年は2度しか行けなかったホームコースで9カ月ぶりという久々のラウンド。もともと体育会系の僕。ゴルフ歴も長くハンディキャップも一応1桁ですが、さすがに最近は…。
この日もスコアは散々。白球が白杭を越えること5回。崩れかかったラウンドを耐えて持ち直す粘りも冷静さも根性もなく、ラウンドが終了。1年が思いやられるスタートでしたが、天気も良く、友人との再会もでき、楽しく回れたのでよしとしましょう。
年末年始は、忘年会や新年交礼会などで多くの皆様と顔を合わせます。こちらが決意を述べるよりも先に「大変だな」「逆風だけどがんばれよ」と励ましの声をいただきます。確かにわが民主党にとってはアゲンストの強い風が吹き続けています。ゴルフで言えばこんなときは風に負けまいと力んではダメですね。球がふけ上がってかえって飛距離が落ちてしまいます。こんな時は目線を下げ、力まず、ゆったりと、しかししっかりと振り切ることが大切です。
政局も同様だと思います。焦る必要はありません。必要以上に肩に力を入れる必要もありません。低い球でいいのでまっすぐに目指す政策に向けて打ち出していく。右にも左にもぶれず、フェアウェイの真ん中をねらう。それはすなわち、生活者・勤労者のための政治です。抽象的で恐縮ですが、今年の僕の目指すところです。
製造業を中心に好況が伝えられています。自動車を中心とする輸出産業、モノづくり産業が好景気をけん引し、その果実が広く社会全体に行きわたっていくことが期待されます。とりわけわが愛知はモノづくりのまさにメッカです。モノづくりのいっそうの振興をすすめ、地域雇用をさらに拡大していく努力をつづけていかなければなりません。
この好況をつくりだしているのはまさに「働く人」たちです。不況下、実質賃金が毎年下がり続け、家計を圧迫し、働く人の可処分所得が減り続けました。このことが消費の低迷につながり、長引くデフレ状況を生み出してきたことは火を見るより明らかです。そうした意味では今春闘において、労使が真摯に話し合い、業績にふさわしい賃金となるよう期待したいと思います。
この民間給与について、安倍総理自らが盛んに賃上げの必要性を口にしています。干渉というよりも、賃上げ相場を見こした事前アピールのようにもみえます。民間の賃金交渉は労使の協議にゆだねたほうがいい。むしろ安倍総理が賃上げを口にすべきは国家公務員の給与や、交付税の交付を通じて大きな影響を及ぼす地方公務員の給与ではないでしょうか。行政の長なのですから…。しかしなぜかこのことについてはまったく発言をされません。おかしな話です。
愛知県では5年続いた県職員の給与抑制措置を今年度限りとする方針を発表しました。大変うれしいことです。職場の志気も上がることでしょう。知事の決断を評価します。
行政改革は徹底的に進めるべきです。予算の無駄はとにかく排除することが必要です。しかし、国民生活に必要不可欠なものは安易にカットすべきではありません。野党時代の自民党は民主党の目玉政策でもあった高等学校の授業料実質無償化などについて、「バラマキ」との批判を繰り返してきました。その後与党となり、前述の高校無償化については廃止撤回、新たに多くの家庭に就学支援金を給付するという形に変更しました。しかし、このことで国庫に戻る血税は30億円弱です。こんなことに意味があるのでしょうか。民主党の高校無償化は葬った、こんな事実がほしいだけなのではないのでしょうか。公立高等学校の現場は就学支援金の給付作業に忙殺されるでしょう。多くの家庭が新たに所得証明を学校に示し、給付を受ける必要も出てきます。
わずかばかりの子どもの予算を削り、公共事業に大盤振る舞いする。まさにバラマキです。このような政策に理があるとは思えません。この通常国会での予算審議で議論を尽くさなければなりません。
さて、今年の十二支は甲午「きのえ・うま」です。甲にも午にもさまざまな意味があります。物事の始まりや創造を意味する。成長が極限に達し、衰え始めるなどの意味もあり、政権の反対勢力が台頭するとの見方もあるようです。
歴史をさかのぼると、この甲午の年には日本が大きな節目を迎えた出来事が多々ありました。1894年には日本と中国との間で日清戦争が勃発しました。1954年には米ソ冷戦や朝鮮戦争の影響を受けるかのように自衛隊法が公布され、我が国が再軍備されました。この年にはビキニ水爆実験で第五福竜丸が死の灰を浴びる事故も起きています。国会で原子力開発予算がはじめて成立したのもこの年です。
60年の年月を経ましたが、こうした我が国を取り巻く状況が大きく改善したとは言えません。今年の甲午こそ、国民が安心して、安全な生活を送ることのできるよい年にしたいものです。
先日、居住地域の成人式や教え子たちの成人式に出席しました。地域の式ではウエブネタだと断ったうえで新成人にこんな話をしました。
「みなさんは『ありがとう』という言葉の反対語を知っていますか。ありがとうの語源が『有難い』『普通なかなかあり得ないこと』だとすると、その反対は『当たり前』ですね。みなさんは、今当たり前のようにこの成人式に来ています。当たり前のように生きています。当たり前のように目が見え、耳が聞こえます。でもそれは決して当たり前のことではありません。百数十億年という地球の歴史の中で、わずか100年ほどの人生を今ここで送っている。この時代に人として生きている。それは奇跡です。普通では到底ありえないことなのです。ありがたいという気持ちを常に持ち続けて、これから社会を生きてください。生きていることに感謝し、多くの周りの人々に感謝し、日々の生活を送ってください。」
若いみなさんを前にすると、教師時代に後戻りしてしまいますね。完全学校5日制が始まって12年。ゆとり世代だのなんだのと、大して勉強をしてこなかった僕たち大人から言われのない批判を受ける世代でもあります。しかし、どの世代よりもボランティア精神にあふれ、創造性豊かな若者たちです。バブル崩壊後の厳しい時代に育った堅実な若者が多いのも特徴です。かれらには大いに期待をしたいと思います。
最後になりましたが今年も斎藤嘉隆の活動にご支援・ご指導を賜りますよう改めてお願い申し上げ、年頭のメッセージとします。