立憲主義を無視する安保法制改悪を許さない!
- 2015/06/26
通常国会が95日間延長されることが決まりました。延長そのものをとやかく言うつもりはありませんがその理由が気に入りません。理由はただひとつ。何が何でもこの国会で安保法制の見直しを行うこと。衆議院で強行的に可決し、参院に送付。参院で採決に至らなくても、60日間を経てのみなし否決。衆院に戻して3分の2の数の暴挙で再可決、成立。そのために必要な延長幅と言うことでしょう。
日本国憲法の下で、日本は集団的自衛権は有するものの行使することはできないとしてきました。それを「新3要件」のもとで集団的自衛権行使を容認するという、まさに解釈による改憲、そしてその解釈改憲に基づく閣議決定、今回の安保法制改悪…。私たちはこの立憲主義を無視する安倍政権による集団的自衛権の行使容認には絶対反対です。
理由はいくつもあります。政府の示す「新3要件」は実に曖昧で、その時々の政府のさじ加減でいかようにもできる基準でしかありません。自衛隊の海外での活動を制限する歯止めの役割はまったく果たすことになりません。まさに便宜的・意図的な解釈の変更で有り、専守防衛の大原則からかけ離れた内容となっています。
また、政府が示している集団的自衛権行使の事例はその必要性が認められません。ホルムズ海峡の機雷による閉鎖が「日本の存立を脅かす事態」なのでしょうか。機雷を除去すれば日本への石油の輸送が復活し、存立危機事態から脱却できると本当に考えているのでしょうか。法人輸送中の米艦防護が集団的自衛権の行使と解される理由は何でしょうか。過去に一度でも米艦による邦人の紛争地脱出などということがあったのでしょうか。立法事実が存在しません。
自衛隊が地球の裏側にまで出かけていって米軍の支援のために活動する。周辺事態法から周辺の概念をなくし、自衛隊の活動を全世界に広げようとしています。歯止めが必要です。
この安保法制改悪を許せば、次に何が起こるのでしょう。安倍総理が憲法上許されないとしている徴兵制。憲法にはどこにも徴兵制をとらないなどという言葉はありません。18条の解釈によって徴兵制は許されないとされてきたものです。9条の解釈改憲を進めるような政権です。18条の解釈を変えることなど平気で行うのではないでしょうか。国民にとって戦争がきわめて身近になります。
あの大戦の反省はどこにいったのでしょうか。まさに今、時代が後戻りするかのごとく議論がすすんでいます。私たち政治家のもっとも大きな責務は、国民の皆さんを二度と戦争にまきこまないこと。このことを胸に深く刻み、この夏の陣、懸命にたたかいます!