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オリンピック・パラリンピックの開催費用について

  • 2016/11/30

2020年のオリンピック・パラリンピック大会の会場案や総予算について、開催まで4年を切った現時点でも、最終的な結論が出ていない。昨日も関係4者による話し合いがもたれたようだが、ボート・カヌーについては予定通り海の森水上競技場に、水泳についても予定通りアクアティクスセンターに決定した。海の森については都知事が宮城開催に言及し、現地まで大勢のマスコミを引き連れて視察を行ったが、あの大騒ぎは一体何だったのか。。当初から宮城開催による不都合を指摘し、最終的には東京開催になると申し上げてきたがその通りになったようだ。残るはバレー会場の見直しがどうなるかだが、知事も見直しを掲げた3会場とも原案通りでは顔が立たないのだろう。とりあえずクリスマスまで結論先送りとしたようだが、はてさてどうなるか。

 

オリパラ予算については、非常にわかりにくいのでおおまかな枠組みだけお示しをしたい。

開催経費については基本的に組織委員会が負担する。ただし競技会場など恒久的な施設や都内のインフラ整備にかかる費用などは東京都負担だ。ちなみに競技施設でも恒久的なものでなく仮設施設となれば組織委員会がその費用を負担することになる。組織委員会の収入はチケット販売やスポンサー契約、放映権料などが中心で、総額はまだ見通せない。そもそも競技ごとのチケットの値段も決まっていないのだから当然と言えば当然だ。仮に組織委員会の収入の範囲で開催費用が収まらない場合は一義的に東京都が補填することになっている。万が一東京都にその負担ができないという状況が生じたときに国が保証する約束がなされているが、現実にはあり得ないだろう。ただし国立競技場は国立であるので国・JSCが建設費を負担する。これは分けて考えなければならない。

 

つまり、競技施設は恒久的にその場に残るものは東京都が税で負担する。大会後に撤去されるような施設については組織委員会が負担する。また、一部他県で行う競技もあるが、これも考え方は同様で恒久的なものはその県もしくは市が負担することになる。負担が東京都から他県に移る以上、簡単に他県開催とはいかないのだ。

 

今日、内閣官房のオリパラ事務局と文科省の関係者を呼んで現在の状況のヒアリングを行った。ざっくりとだが開催にかかる費用が施設整備も含めて2兆円、組織委員会の収入が5000億円と仮定すると、残る1兆5000億円を東京都が負担することになる。これを少しでも圧縮したいという都知事の考えは当然と言えば当然だ。開催経費が膨らめば膨らむほど都民の負担は増す。東京都の税の原資は住民税だけでない。東京にたまたま本拠を置いている企業の法人税などはすべての国民が負担していると言ってよい。いずれにしても早い段階で開催に係る費用の概要を示し、国会などの場でも議論することが必要だ。