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受動喫煙防止対策強化について

  • 2017/02/24

受動喫煙防止対策の強化について国レベルでの議論が進んでいる。2020年のオリンピック・パラリンピックを契機に、従来の努力義務よりも実効性の高い制度にしようとの考えだ。

いわゆるスモークフリーや対策強化について否定する立場にはない。かつてはヘビースモーカーであった私自身も今は非喫煙者であり、受動喫煙で健康を害することは御免被りたい。目指すのはスモークフリー社会であるので、喫煙者の立場も十分に考慮しつつ、何よりも対策強化によって新たな負担が生じる可能性がある立場の皆さんの意見を踏まえる必要はあるだろう。

 

現在のたたき台の案は以下の通りだ。

・官公庁など多くの人が利用し、かつ他施設を利用する選択が困難なものは、建物内全面禁煙。

・学校や医療機関は敷地内全面禁煙。

・飲食店やホテルなどの共用部分、職場、駅、空港ビル、ビルの共用部分などは喫煙室設置は可とする原則建物内禁煙。

 

さて、特に気になるのが3つめの視点だ。飲食店などは禁煙。喫煙を可とするなら喫煙室や完全分煙などを設置する義務が生じる。大規模なチェーン店ならともかく、中小で家族経営をしている飲食店などで分煙施設の設置はほぼ困難だろう。このことが経営にどのような影響をおよぼすのかなど、綿密な試算も必要だ。また、あまりにも2020年を意識しすぎた議論の進捗状況も気にかかる。喫煙者も非喫煙者も多くの事業者も、たばこ産業で働く皆さんも、税の恩恵を受けている自治体も、多くの関係者の意見を細やかに聞き、望ましいスモークフリー社会の実現を目指したい。