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校長先生の決断

  • 2018/06/19

昨日6月18日、大阪地方で大きな地震があり、小学生を含む4人の方が亡くなり、300人以上の方が負傷された。心からの哀悼とお見舞いを申し上げたい。1日も早い復興に向けて立法府の一員として力を尽くしたい。

さて、まさに当日の朝、地震発生時、私は東京へ向かうため名古屋駅にいた。当然のことながら地震発生時以降、安全点検のため名古屋駅を通るすべての新幹線が運転を見合わせた。時間がたつに連れて構内は大混雑。払戻窓口には長蛇の列が続いた。私はこの日、11時に国会議事堂で修学旅行生をお迎えする予定があり、しばらく駅内で待機していたが、運転見合わせが少なくとも午前中いっぱいはかかるとのことで、その場を離れることにした。修学旅行生のお迎えができそうもないので、校長先生に電話を入れたところ、中学生たちも私と同様に東京へ向かうため名古屋駅で新幹線の運転再開を待っているとのこと。かれらの待機場所に出向き、校長先生らに挨拶をさせていただいた。

この日の彼らの予定は国会議事堂見学と宿泊先であるディズニーリゾート訪問。校長先生は「国会議事堂は子どもたちにとって最初で最後の機会であるかもしれないので是非見学させたい。しかし、ディズニーも心から楽しみにしているのでその時間も確保したい」と、この日の予定をどうするか大変悩まれていた。

結局、新幹線は4時間以上遅れて午後に発車。私の東京着は15時近く。生徒たちが乗車予定の新幹線は私の列車よりもかなり後の発だったので、いったい何時に着いたのだろうと気にかかっていた。

そんな折りに校長先生から連絡をいただいた。今日からの修学旅行はすべて延期。改めて秋に予定を組み直して実施するとのことだった。キャンセル料もある程度かかるだろう。学校の行事予定も見直さなければならない。保護者への連絡なども大変であり、大きな決断だ。

校長先生も悩まれたようだが、子どもたちの修学旅行を少しでも充実したものにしてやりたいとの一存での判断だったと思う。

簡単なようだがなかなかできないことだ。延期によって必要となる労力は半端なものではない。子どもたちや保護者との信頼関係もなければできないだろう。そして何よりもすべてを飲み込むリーダーシップが不可欠だ。延期によって生じるあらゆる責任を負う校長の覚悟だ。少なくともこの時代にこのような判断ができる校長先生はそんなに多くないと思う。さまざまなご意見もあろうかと思うが、私はこうした姿にたのもしさを感じた。