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少人数学級進展!

  • 2020/12/18

来年度から5年間かけて小学校の1クラスあたりの児童数の上限が現行の40人から35人となる。来年度は2年生、次の年は3年生、その次の年は4年生といったぐあいだ。それまでの45人学級が1980年の義務標準法改正によって40人学級となってから40年。また民主党政権時代の2011年、法改正によって小学校1年生のみが35人学級となってから9年。実現を求め続けてきた少人数学級が、一歩前進したことは率直に評価したい。萩生田大臣から個人的にも常々少人数学級実現に向けた決意を聞いていた。当初求めていた30人とはいかなかったものの、渋る財務省を説き伏せての実施には、大臣はじめ文科相関係者の努力に敬意を表したい。

しかし、課題は多々ある。来週にも閣議決定される予算案で定められるのは、あくまで来年度の小学校2年生における35人学級実施だ。実は小学校2年生については既に全国的に35人学級が実現されている。標準法に定めはないものの、その必要性から定数加配措置によって実施されているのだ。つまり、来年度、現場的にはほとんど改善がない。国予算の追加措置もわずか。報道によれば16億円程度で実施できる。つまり、本当の改善は来年度でなく、再来年度の小学校3年生からとなる。残念ながら、この3年生での実施は1年後のこの時期にまた、予算折衝をして具体化しなければならない。毎年、この折衝が今後も続いていくのだ。いずれかの時点で、計画がストップすることはあり得ないことではない。私は、文教科学委員会において、少人数学級実施に当たっては、明確な定数改善計画を策定した上での実施がマストだと申し上げてきた。5年にわたる今回の計画はいわば口約束的なもので、法令上確定したものではない。年明けの予算審議ではこの点が焦点になるだろう。次年度以降の計画的な実施を国会の場でいかに確約に近いものにできるかが重要だ。

 各自治体の取り組みも今後重要となる。多くの県や市町村で独自の少人数学級を国基準以上に実施している。愛知県でも小1、小2に加え、中学校1年生でも県独自に実施済みだ。国の少人数学級拡充によって、既に行われている自治体の取り組みが縮小していくようでは意味がない。国の進展にあわせて、自治体独自の取り組みも拡充していくよう求めたい。