私の少年野球指導法 その1
- 2010/02/06
名古屋の小学校で長く少年野球の指導をしてきました。
最近はそうでもありませんが、かつて、名古屋市の小学校では大抵の学校に野球部があり、年に一度開かれる野球指導会での全市優勝をめざして盛り上がっていました。
二百数十校が、まず区ごと(16区)に分かれ、区代表を決めます。これが甲子園で言う県予選みたいなものです。区の代表16校が、今度は「県営熱田球場」に集まり、市大会となります。これが甲子園大会のようなものです。市で優勝するには、すべてトーナメントで8から9試合を勝ち抜く必要があります。それはそれは厳しい戦いです。
自慢?ではありませんが、私の指導者として鳴らした時期があり、この大会で2度の優勝を果たしました。なかなか勝てない時期もありましたが、試行錯誤の末に自分なりの指導法を見つけてからは、それなりの成績を残せるようになりました。もちろん野球をするのは子どもたちですが、大人の野球以上に指導者によって、チームの有り様が変わってきます。経験のほとんどない子どもたちにボールの持ち方から教えるのですから当然ですね。
今日は私なりの指導の実際をお話しします。箇条書きで示します。少年野球指導者のみなさんの参考になるかどうかははなはだ疑問ですが…
○ ランニングや体操はしない
小学生です。体慣らしはそれほど重要ではありませんし、それが故障につながることもほとんどありません。ランニングも寒い日に軽く体を温める程度しか行いません。心肺機能の向上も小学生には必要ないでしょう。
○ キャッチボール短い時間で丁寧に
長い時間のキャッチボールは肘や肩の故障につながります。投げ方に留意させ、短時間で集中して行います。
○ 打撃練習に大半の時間を費やす
子どもたちが一番楽しみにしているのは打撃練習です。楽しい練習をするのが一番です。ある程度守れるチームができれば、勝敗は打撃力によります。
○ ノックは打たない
打撃練習の際にそれぞれのポジションで守らせます。生きた打球を処理することが一番の守備の上達法です。私はほとんどノックを打ったことがありません。
○ とにかくボールをたくさん使う
野球の練習は無駄が多いです。ただ突っ立っているだけで練習の大半が過ぎてしまう、こんなことは最低です。次々と打つ、守る、脇では数カ所でティー打撃、たくさんのボールが必要です。私はいつも市内のバッティングセンターで使い古しのボールをいただいていました。ティーなどはこのようなボールで十分です。
○ 練習時間は短く
小学生があることに集中できるのはせいぜい2時間程度だと思っています。休日も終日の練習ではなく、半日までと決めていました。
○ 指導者は怖い、でも優しい
子どもには厳しく接します。近づきがたい存在を演出します。普段はあまり誉めません。試合が近づくと、とにかく誉めます。ゲームでミスしても絶対に怒りません。ミスを叱るのではなく、なぜミスをしたかを説きます。ゲームではとにかく伸び伸びとさせます。指導者の表情も最後の大会では、とにかくにこやかになります。指導者が鬼のような顔をして、子どものミスを叱りとばしているようでは、勝てる試合も勝てません。監督というのはゲームの間、子どもたちに安心感を与える仕事です。
そんなことで勝てるか!などとお叱りを受けそうですね。それも当然です。基本の練習、反復練習も土台として当然必要ですしね。
一人のスーパー投手がいるだけで優勝できてしまうのもまた、少年野球ですが、そのチームに総合力で勝つのもまた醍醐味です。子どもたちと野球に明け暮れたあのころは、教員としての自分の基礎をつくった極めて重要な時期でした。子どもを深く理解することは、教室での指導や生活指導にもつながるものでした。このころの教え子たちが多く教職を志したり、今、自分の活動の支援者となってくれたりしているのも、本当にうれしいことです。
ちょっと長くなりました。私なりの指導法その2 打撃編はいずれ改めて。
- < 労組の学習会に参加
- 若い先生たちへのエール >