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それでも桜は美しく 福島へ

  • 2011/04/17

週末は、福島へ現地調査に。
主な目的は、学校教育の再開に向けての現地での対応状況の確認と、原発被害の現実を身をもって知るためです。
福島から川俣町、飯舘村、南相馬市へ。
それぞれの地域の学校で、校庭、校庭地表などの放射線量を調査しながらの行程です。
川俣町から飯舘に入ると、線量計の数字がかなり高くなります。車内でさえ、毎時4マイクロシーベルトを超えるような場所もあり、驚きます。
某小学校で職員の方の話を聞きながら、線量調査。校庭のあちらこちらで1メートル程度の高さの空気中で10マイクロシーベルト近くになります。地表面では13マイクロシーベルトを超える表示も確認できます。この校庭で子供たちが遊ぶことは考えられないし、あり得ません。発表されている積算放射線量の数字も納得できます。
CIMG0245.JPG
その後、南相馬市で、桜井勝延市長、青木紀男教育長と懇談。
市長は、市が主体で対応にあたらざるを得ない現実、国策としての対応の必要性、後付けであっても超法規的な措置を取らざるを得ない状況などについて、切々と話されました。
まさに現場で起きている現実。まぎれもない現実の中で、指針も拠り所もなく、未知の対応を強いられている者の叫びのように受け止めました。
南相馬では、21の小中学校のうち、4月22日をめどに始業できるのが4校。つまり17の学校はこの4校をはじめ、市の施設に間借りをする形での始業となります。
子供たちもすでに43%が市外へ退避したとのこと。
故郷を離れ、学校を離れ、友達と離れ、このような状況に、本当に子供たちは耐えられるのか…。
その後訪問した原町第一小学校。校庭のヨウ素が8.79マイクロベクレル検出され、報道された学校です。
対応してくださった教頭先生は、ご自宅が原発10キロ圏内。
被災後、一度も自宅に戻れず、学校での生活が続いています。それも子どもたちのいない学校です。
疲れ切った顔に精一杯の笑顔を応じてくださいました。
4月22日以降、この学校は他校で始業しますが、教頭先生はその後もこの小学校に残られるとのこと。
3月に新しく新築された木の香りのする美しい体育館。
子供たちが利用することはほとんどなく、今は避難所として使われています。
ここまでの行程の中で、子供たちの姿を見ることはありませんでした。
学校にも、街中にも、どこにも子供たちの姿を見ることはありませんでした。
福島は、まさに桜が満開の時期です。
あちらこちらで美しい景色が広がっています。
この苦難のなか、それでも桜は美しく咲き誇ります。
まだまだ、何も終わっていない。
これから長い長い道のりが始まるんだ。
多くの人々がこの桜の美しさに再び目を奪われる日が来るまで。
続きは次号にて記します。