直球ど真ん中

TOP >  直球ど真ん中 >  働き方の議論を続けています。

働き方の議論を続けています。

  • 2011/08/03

このところ「働き方改革WT」で、有期労働契約についての議論をしています。
就労する期間に定めがある雇用がいわゆる「有期労働」です。
どのくらいの労働者が有期で働いているのか公式な統計はありません。しかし、パートや、アルバイト、派遣、契約などの多くが有期労働であることは想像できます。その数は一昨年で1700万人ともいわれ、労働者の3分の1をしめるほどです。
僕は、雇用の不安定さ、処遇の低さなどが大きな問題となっている有期労働について、これまで無制限に活用されてきたことが、所得格差、労働の質の低下などを招いた大きな要因であると考えています。
雇用は本来、期間に定めのない直接的な雇用であることが必要です。有期労働契約にも何らかの歯止めをかけることを基本に制度設計を急ぐべきです。
さて、昨日は、某経済団体の幹部の方を招いてのヒアリングでした。有期労働についての我々との余りの認識の違いに愕然としました。
「有期労働は価値観が多様化するなかで、多様な雇用を確保する手段」
「事業主の7割は雇い止めの経験がない、契約の終了は労働者の都合である場合が多く、雇い止めはほとんどない」
「高卒者を終身雇用する場合も、42年の有期労働契約の繰り返しと同じ」
などなど…。
同じ労働には同じ処遇をすべきとの意見に対しても「一見同じような仕事にみえるが、比較する単位が明確でなく比べられない」「正規と非正規とでは労働の生かし方が違う」?などとも。
率直に意見交換できたのはとてもよかったと思いますが、考え方の溝は深く、道のりは長くなりそうです。
僕からも率直に、「企業が有期労働をここまで是とする最大に理由は何か?人件費を抑えること以上の大きな理由はあるのか」「働くものの生の声を聞いてほしい。同じ価値の労働でありながら給与が2倍以上も違う現状を嘆く若者がたくさんいる」などの意見を申し上げました。
企業が利益を追求するのは当然です。社会的責任とのバランスをどうとるのかが問われているのだと思います。
若い人世代の困窮は、消費世代の買い控えを招き、少子化につながり、どんどん日本経済を窮地に追い込みます。