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「絆される」

  • 2011/12/12

恒例の「今年の漢字」に「絆」が選ばれたそうです。
予想通りの方も多かったのではないでしょうか。
「絆」といえば、人と人とを結ぶ強い結びつきといった意味が一般的なとらえですね。
時々、講演などで引用しますが、「絆」のもともとの語源は「犬や馬などを縛り付けておく綱」です。
もともとは、体の自由がない、離れたいけど離れられない、逃げられない、そんなネガティブなイメージの言葉であったように思います。
「絆」は「絆される(ほだされる)」という使い方もしますね。
まさに「心や体の自由が縛られる」という意味です。
離れたくても離れられない本来の「絆」は、「しがらみ」のように、できれば解放されたい面倒なものなのかもしれません。
人と人との結びつきが希薄になったいわれる現代社会だからこそ、こうした言葉が世相を反映する言葉に選ばれるんですね。
自由が制限されても人とつながっていたいという深層的な心理が現れているような気がしますし、むしろ必要とされているのだと思います。
ところで、政治は「絆される」ものか、そうでないか。うーん。難しいところです。ただ、政治は一人で行うものではありません。多くの皆さんの思いの「絆し」はあるべきものかもしれません。