コロナ禍を次に生かす。教育と雇用の東京一極集中是正を!
- 2020/05/04
コロナ禍を受けての緊急事態宣言が5月末まで延長される見込みだ。約1ヶ月、これまで同様の自粛要請が多くの地域で続けられることになる。われわれ国会議員は国会開会中、職場である国会のある東京で暮らしている。ただし、原則として会議のない土日祝日は自宅のある地元へ帰る議員がほとんどだ。地元に帰り、地元で開かれる会合に出たり、地元の皆さんの声を聞いたりする。私は愛知県民に選挙で選ばれ国会での仕事をしている。愛知県民の声を国会に届けることは重要な任務だ。
しかし、今は緊急事態宣言下、余程のことがないと地元に戻れない。自宅のある愛知に戻れないのだ。感染者数も全国で群を抜いて多く、陽性率も高い東京。この東京に普段いる私たちが、地元に戻ることは多くの皆さんが敬遠するだろう。選挙区で皆さんの声を聞くだけでなく、個人的には家族や愛犬にも会いたいがそれも難しい。
私たちだけでない。単身赴任のサラリーマンも地方出身の大学生も同じだ。私たち大人はまだいい。心配しているのは慣れない東京で一人暮らしを始めた大学生たちのことだ。帰省したくてもできずに不安ばかりを募らせている若者も多いのではないか。一年生などはおそらく友だちや頼る人も少なくて心細くて仕方ないのではないか。
こうした若者が多い要因のひとつに、大学などの東京一極集中がある。本当なら自宅から通うことのできる地元の大学などに進学することがベターだ。このような環境であればなおさらだろう。しかし、地元に通うべき学校が乏しい。仕方なく大都市に若者が出てくる。そのまま都市部で就職し、ふるさとには帰らない者も多い。帰ろうにも仕事が限られるからだ。周知のように大都市ほど若者の未婚率が低く、出生率が低い。環境的に子育てが容易でないからだ。これが我が国の少子化進行の最大の原因だ。
コロナ禍を転じてプラスにしていくためのヒントがここにある。これを機に、都市部と地方の進学機会の格差を徹底的に是正していくことを考えるべきだ。地方の国公立大学を統合してなどという方向性は愚の骨頂。私学も地方での開設や継続には徹底的に支援を手厚くするべきだ。
そして就労先。地方で雇用機会を多くつくる企業に対し、大きなインセンティブをもたせるべきだ。多くが中小、小規模事業者であったり、大規模な店舗や工場などを有する企業で会ったりするだろう。地域を支える努力にどう応えるか。現政府はこうした視点に乏しい。教育と雇用の格差解消。容易でないことは分かるが、不可能ではない。